
12月21日、日曜日。 昨日の小雨から本降りに変わった雨が、乾いた大地を静かに叩いています。
一般の方にとっては、寒くて憂鬱な冬の雨かもしれません。しかし、私たち農家にとっては、まさに待ち望んだ「恵みの雨」です。ここ最近、乾燥した日が続いていたため、カラカラだった土壌にとって、この湿り気は何よりの栄養ドリンクとなります。
今日は日曜日で作業はお休み。 ですが、雨も止んできたので畑が気になり、見回りに出かけました。

機械の音がしない雨の日の畑は、不思議なほど静寂に包まれています。 写真をご覧ください。濡れた桃の枝先には、クリスタルのような雨の雫が輝いています。
ここで少し、プロの視点で深掘りを。 冬の果樹は「休眠」していますが、決して活動を停止しているわけではありません。地中深くでは根が呼吸し、春の芽吹きに向けてエネルギーを蓄えています。乾燥が続きすぎると木が衰弱してしまうため、この時期に適度な水分が補給されることは、来春の花付き、さらには実の大きさを左右する重要なファクターなのです。
冷たい雨に打たれながらも、小さな芽が水を吸い、少しふっくらとしたように見えます。それはまるで、硬い殻の中で春の準備を始めている「命の胎動」を感じる瞬間でした。

藁(わら)を巻いたブドウの木も、しっとりと濡れて土に馴染んでいます。 この雨が上がれば、寒さはさらに厳しくなるでしょう。しかし、今日の雨が大地に沁み込み、木々の生命力を底上げしてくれたはずです。
人間も木々も、雨の日は少し休息。 軽トラで賑わう日々とは違う今日の静かな休日も、ゆっくり畑の様子を観察しながら穏やかな日曜日を過ごします。

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