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桃の花が終わり、小さな宝石が実りました!~桃農家の摘果作業、愛情たっぷりの舞台裏をご紹介♪~

春の陽気に包まれ、美しく咲き誇った桃の花びらが舞い散り、その小さな跡には、可愛らしい桃の赤ちゃんが顔を出しました!ご覧ください、この愛らしい姿を!まるで小さな宝石のようで、見ているだけで心がときめきますね。

しかし、この可愛らしい実りが、甘く美味しい桃へと成長するためには、私たち桃農家の大切な仕事がこれから本格的に始まるのです。それは、実の数を調整する**「摘果(てきか)」**という作業です。

なぜ摘果が必要なの?~美味しさのための、大切な間引き~

「たくさん実がついている方が、たくさん収穫できて良いのでは?」と思われるかもしれません。もちろん、たくさんの実がなることは喜ばしいことなのですが、そのままにしておくと、一つ一つの実に栄養が行き渡らず、小ぶりで甘みの少ない、いわゆる「味なし果」になってしまう可能性が高くなってしまうのです。

私たちの目標は、お客様に最高に美味しい桃を味わっていただくこと。そのためには、限られた栄養を厳選された実に集中させ、大きく、そして甘く育てることが不可欠なのです。

摘果は、まさにそのための大切な作業なんです。生育段階に合わせて、丁寧に、そして愛情を込めて、実の数を調整していく、繊細な作業なのです。

摘果は3段階!~桃の成長を見守りながら~

理想園では、より美味しい桃を育てるために、摘果作業を大きく分けて3つの段階で行います。

1.予備摘果: 満開日を基準に、早生品種であれば約20日後、中生種であれば20日~30日頃、晩生桃であれば30日以降に行う最初の摘果です。この段階では、明らかに形の悪い実や、病害虫の被害を受けている実などを中心に、大まかに間引いていきます。まだ小さな実を見極めるのは、長年の経験と勘が必要となる作業です。

2.仕上げ摘果: 予備摘果からさらに生育が進んだ段階で行います。ここでは、残った実の中から、生育の良いもの、形の整ったものを選び、最終的な実の数を決定します。品種や木の勢い、葉の数などを考慮しながら、一つ一つの実に最適なスペースを確保するように間引いていきます。この作業が、最終的な桃の品質を大きく左右するため、最も神経を使う、重要な工程と言えるでしょう。

3.見直し摘果: 仕上げ摘果後、さらに数日~1週間ほど経ってから、最終的なチェックを行います。この段階で、隠れていた不良果や、生育の遅れている実などを再度見つけ出し、取り除きます。まるで、我が子を見守るように、一本一本の木、一つ一つの実の状態を丁寧に確認していきます。

このように、3段階に分けて摘果を行うのは、一度にすべての実を間引いてしまうと、その後の生育状態を正確に把握することが難しくなるからです。もし、早い段階で多くの実を落としすぎてしまうと、残した実が「病害虫被害」「整理落下」になってしまったら、収穫量が減ってしまいます。

また、「正常果」と「いびつ果」を見分けるには、ある程度の生育期間が必要となります。時間をかけて丁寧に摘果を行っていきます。

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